重度の化学物質過敏の人にとっては、揮発する化学物質の「刺激」と同様に辛いのが「臭い」です。最近では香害という言葉もありますが、臭いに対して、過敏に反応し、体調不良を来す場合が多いのです。私達にとって、最大の天敵は「臭い:smell」といっても過言ではありません。
大気中や室内の空気に「不純物」が混ざると、空気は臭いを生じます。もちろん、無臭のものありますが、ほとんどの揮発性有害物質は、特有の臭いを発します。
化学物質過敏症の方は、臭覚過敏を持ってる場合が多く、普通の人では気にならない臭いも不快に感じてしますのです。ちなみに私は、香水、柔軟剤、アロマ、消臭剤などは苦手で、すぐに頭が痛くなってしまいます。
尚、自然素材で造る家もありますが、実際に私は天然杉や天然ヒノキの臭いも苦手で、そのような空間にいると気分が悪くなってしまいます。建材は、化学物質由来でも、自然素材でも、それぞれ固有の臭いを持っている場合があるのは、ご存じの通りです。
このような体質になった方が、快適な住居を選び、問題なく住まうには、なるべく臭いがしない無香住宅が理想だと思います。
むしろ、無機質なモノ。鉄、スチール、アクリル、硬化プラスチック、陶器、石、大理石、タイルなど、気体透過性が無い素材(空気干渉性、揮発のない物質)の方が、臭いがなく、問題なく過ごせるという場合が少なくありません。
建築建材は、現在ではF★★★★を標準としていますが、素材そのものに、それぞれ「臭い」があります。もし、化学物質過敏症や臭覚過敏があるようでしたら、家選びや建材選びは、実際に自分で、さまざまな材料の臭いを体験して選択するのが良いでしょう。
サンプルなどは、ピースが小さいの、サンプルで大丈夫であっても、施工面積が大きくなると、臭いが問題となってしまう場合がありますので、ご注意ください。