シックハスの問題、古い家なら絶対に大丈夫ということはありません。重度の化学物質過敏症の方、またアトピーや喘息などのアレルギーがある方は、中古住宅を購入する場合や引っ越し先を探す場合、次の事を知っておくと良いと思います。
2003年7月に建築基準法が改正され、ホルムアルデヒドの使用制限、シロアリ駆除剤クロルピリホスの全面禁止、24時間機械換気システムの設置義務が、新たに課されました。
逆にいうと2003年7月以前に建てられた住宅では、ホルムアルデヒドが大量に使用された住宅かもしれませんし、猛毒であるクロルピリホスが使用された住宅である可能性があるということです。
通常、築年数が古ければ建築時の化学物質はすでに無害化しているから安心だと考えかもしれません。
しかし、建築工法によっては、大量の化学物質が、家全体に染み込んでしまい、家の中、全方位がシックハウスという最悪の状態が引き起こされている可能性があるのです。特に、接着剤の主成分となるホルムアルデヒドは、硬化後も有害成分が長期間にわたり揮発し続けるという厄介な性質があります。最近の接着剤は固まると、その固まった状態で恒常性を維持し、時間の経過とともに無害な状態へと収束しますが、ホルムアルデヒドは例外的に固まった後でも、容易に揮発状態を維持してしまします。
もし化学物質過敏症があるなら、シックハウスが心配なら、この2003年問題は、十分に考慮する必要があります。
また、シロアリ駆除剤のクロルピリホスは、神経毒性が強く、長年をかけて床下の木材から室内に揮発し続けたクロルピリホスの成分が、室内の内装材や家具などが侵食されていると、神経系の中毒過敏症状に見舞われることがあります。尚、クロルピリホスは使用禁止となりましたが、それに代わるシロアリ駆除剤は使われていますので、その点にも注意が必要です。
家は長持ちしても、そこに住まう人の寿命は短くなるのかもしれません。