プロローグ~シックハウスとの遭遇

皆様、はじめまして。シックハウス攻略ブロガーの「小宮」です。
【当事者としての思い】
シックハウスに遭遇した場合、私たちの選択肢は、家を売って引っ越すか?、又は、そのまま我慢して住み続けるか?の二者択一を迫られます。
残念ながら、今の日本には、万全なシックハウス対策リフォームが行える専門業者が少なく、その施工ノウハウの蓄積も十分とは言えません。私たちには、シックハウスの家を、健康に住めるようにリフォームするという選択肢が無いに等しいのです。
健康に住める家が無い・・・。これは、化学物質過敏症の人にとっては、とても深刻な問題です。そこで、シックハウス対策リフォームという選択肢を世に!という思いで、このブログを書いています。
免責事項
こちらのページは、制作途中ですので、内容は順次、更新していきます、DIYに関しては、建築の知識が乏しい素人なので、あくまでシックハウス対策の個人的なチャレンジであり、化学物質過敏症でも滞在できる住居を何とか確保する!という内容ですので、その点をご了承ください。
また、こちらのブログは特定のハウスメーカーのシックハウス問題を扱うものではありませし、特定の商品を宣伝するものでもありません。申し訳ございませんが、今のところシックハウスに関する個人相談は行っておりません。
当ブログの趣旨
さて、私は、、、。普段は鍼灸師として患者さんの身体をケアしています。実は、もうひとつ専門があります。それは「家の病気」についての研究です。家が病気の状態を『シックハウス』といい、そのような家に住むことて生じる体調不良を『シックハウス症候群(家原病)』といいます。
そして、私がシックハウスを研究している理由は、自らが重度の化学物質過敏症で、今まさに強烈なシックハウスの住居と対峙しているからです。
世の中には、住宅建材から生じるホルムアルデヒド、アセドアルデヒドなどの揮発性環境有害化学物質に汚染された家屋がたくさんあります。そして、そのような家に住んだがために、知らず知らずのうちに、体調不良や健康被害(シックハウス症候群)にあってしまうことが社会問題となっております。
特に、小さな子供の健康被害は深刻です。子供は生まれてくる家を選べませんから。シックハウスの苦しさを表現できない子供にとっては、まさに『家ガチャ』状態なのです。
自分だけでなく、子供や家族の健康を守るためには、シックハウスや住居環境の大切さを理解する必要があるのです。
私は、これまで鍼灸師として、重度化学物質過敏症やシックハウス症候群を医療面から研究し、その経験を基に、同様の症状で苦しむ患者さんの治療にあたって参りました。
しかし、シックハウスの環境下で生活している限り、どんなに治療しても、以前のような健康な状態を取り戻すのは難しいのです。最善の治療は、身体に優しい住居環境を得ることなのです。
シックハウスに汚染された家を、どのようにリフォームすれば、シックハウスの無い、空気のキレイな健康住宅に出来るのか?その解決策やリフォーム対策は一般的には、あまり知られていません。そして、未だ多くの人が成し遂げておりません。
ですから、私たちが今回の専門工務店とタッグを組んで行う大規模シックハウス対策リノベーション、及び自分で行うシックハウス対策DIYが成功したならば、シックハウスで悩む方々にとって非常に有益な情報を提供できるのではなかと考えております。
シックハウスは、住む人も苦しいけど、そこに建っている家も苦しんでいるのです。
ステルス・シックハウスという新たな社会的課題
1980年~2005年ぐらいの間、シックハウスの問題がクローズアップされていました。かつてのシックハウスは、明らかな刺激や臭い、典型的な体調不良が顕在化しやすいのが特徴でした。そのため、社会問題として、国もホルムアルデヒドの規制を取るなど、積極的な対策がなされました。
しかし、ホルムアルデヒドの規制が進み、世の中も、環境問題や健康問題に感心が高まる中、ハウスメーカーや工務店もシックハウスの対策を十分に考慮する時代となりました。
その結果、一見、シックハウスの問題は過去のものとなり、事態は沈静化したかように見えました。しかし、依然として、シックハウスの問題は発生しており、むしろ影に隠れる形で、潜伏化した、いわば「ステルス・シックハウス」という型で、今なお起こり続けているのです。
特に注意が必要な人は、もともと化学物質過敏症がある人、アトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー体質の人、臭いに敏感な人、目が乾くドライアイが基礎にある人、HSPなど様々なことに敏感で繊細な人、妊娠中の人、などです。
普通なら全く大丈夫でも、ごく微量のシックハウスでも過敏に反応してしまう心身の状態になっている場合があります。フォースター(F⭐️⭐️⭐️⭐️)の建材だから安心という訳ではないから、難しいのです。
このブログの構成
- 私のシックハウス体験
- シックハウス症候群とは?
- 自分で出来るシックハウスDIY対策
- 専門工務店によるシックハウスリフォーム
- シックハウス攻略アイテム集
以下、内容抜粋
筆者のプロプロフィール
私は幼少期の病気によって、皮膚粘膜に障害を受けました。それ以後、重度の化学物質過敏症となりました。子供の頃から、香水やアロマ、匂いの強い洗剤や柔軟剤に反応し、目の痛みや頭痛を、よく起こしていました。
特に、友人の家に遊びに行った際、新築だったり、リフォーム直後だと、すぐに具合が悪くなっていました。
その頃は、化学物質過敏症やシックハウスの知識が無かったので、何で自分は、匂いや環境によって、こんなに体調が悪くなるのか、わかりませんでした。
今ようやく、私は、重度の化学物質過敏症を発症しており、建材から揮発する接着剤などの環境有害物質に過敏に反応し、健康を害してしまう体質てあると理解できました。
そして、今回、これほどまでに過敏な私が、強烈なシックハウスの状態にある住宅を購入し、健康に住めるようにシックハウスを攻略しようという訳ですから、それはもう最大級のチャレンジとなります。私の体験へ、つづく。
専門家によるシックハウス逓減大規模リフォーム
今回、攻略する家は、築25年、木造3階建て。母屋と離れのある約320m²の注文住宅。一見すると豪華で理想的な邸宅ですが、実は凄いックハウスの状態です。重度の化学物質過敏症がある私は、室内に入ることができない程です。そのため、シックハウスを逓減・解消するシックハウス対策フルリノベーションを敢行します。家の基幹部分は、シックハウスに強い工務店にリノベーション工事を依頼しました。
改装前の写真






工事前、玄関に入ると家の中は、ツンと鼻に刺激を受けるよな臭いが充満していました。昔の家の匂い?すぐに、めまいのような症状が現れ、皮膚がかゆくなり、目がシバシバ、チカチカ、喉がむずがゆくなり、唇がヒリヒリと、全身の粘膜が刺激を受けます。建築時から25年以上も経過しているのに?おそらく、家の構造を成す木系パネル(接着剤が多量に使用された)、合板から、長年にわたり揮発し続けたホルムアルデヒドが、石膏ボードと壁紙に浸食。その結果、床、壁・天井の広範囲、まさに四方八方からホルムアルデヒドが放出されるという室内全体が汚染された状態にあると推察されます。
そこで、今回のシック対策リフォームでは、壁や天井のほぼ全ての汚染石膏ボードを撤去し、新しい石膏ボードに刷新する工事を行います。そして、新しい石膏ボード上に、株式会社高千穂志シラスの『シラス壁』をおよそ800m²の壁と天井に塗り、建材から放出されるホルムアルデヒドを完全に封じ込める作戦を取ります。
下の写真は、実際に汚染された石膏ボードを全て撤去し、スケルトンの状態にした時のもの。しかし、依然として、構造体の木系パネルからは、結構な刺激臭が立ち込めています。

シックハウスで困っている人に、是非ともお勧めしたいのが「特殊浸透水散布シックハウス低減工法」です。正式名称は、ダブリューエイブルフィックス工法です。こちらは、専門業者に依頼して行うものですが、シックハウスを大幅に低減する、大いなる切り札となりえると確信しています。

実際に、私の家でも、このダブリューエイブルフィックス工法を行いました。その効果は?
想像以上の絶対な効果!凄い、室内の空気が明らかにキレイになった!でした。この工法を研究開発した企業が発表した論文では、シックハウス発生の確信に迫る見識が非常に興味深いので、合わせて紹介します。
自分で出来るシックハウス対策DIYチャレンジ
また、本チャン工事スピンオフ(番外編)として、自分で出来るシックハウス対策DIYリフォームの内容もブログに、整い次第公開したいと思います。
下の写真は、汚染された壁紙と石膏ボードを封止するため、壁の全面にアルミホイル(BBQ用厚手銀紙)を澱粉のりで貼った時のもの。効果は絶大!どうしたら、ひいどシックハウスを逓減して、化学物質過敏症でも、快適に住めるように出来るのか?そんな、実験的なこを、やってます。(失敗の連続で、めげそうになりますが、、、。)

さすがに、壁が銀紙では外見が悪いので、もうひと工夫。既存の汚染壁を銀紙(澱粉のりで張り付け)で封止し。その上にさらにホルムアルデヒド吸着分解機能を持ったハイクリーン石膏ボードを二重張り。これは、部屋の中に、もうひとつ部屋を作るという画期的なアイデア?です。ちなみに、石膏ボードを銀紙の上に貼っているのは、80歳の父(DIY歴50年)。

このやり方であれば、ハイクリーン石膏ボードの上に、さらに珪藻土や漆喰、自然塗、壁紙など、自分の体質に合った素材を仕上げ材として使用できます。このDIY工法の優れた点は、万一、失敗しても、ダメージが少なく、やり直しが利くという点です。最終的に塗った漆喰・珪藻土や壁紙が、後になって体質に合わないと判明した場合、構造体の既存ボードは残してありますので、二重張りした石膏ボードから、再チャレンジできます。まさにDIY的な発想です。

この部屋は、名付けてアルミバインド石膏ボード二重張り工法をして、最終的に、ドイツ製の自然系壁紙を、自然素材の『澱粉のり』で張り付けて完成です。化学物質過敏症があると、壁紙や壁紙を張り付ける接着剤にも反応してしまいますので、自分に合った素材を厳選することが大切です。

この作業は、石膏ボードをカッティングする技術が多少なりとも必要ですが、すべての素材をホームセンターやネット通販で購入することができます。
特に、石膏ボードはビスで固定できるので、接着剤を使用せず汚染壁を封止できます。また、価格が安いので、ハイクリーンボード(吉野石膏)やさわやかFCボード(チヨダウーテ)を用いることで、ひどい化学物質過敏症の人でも、住める部屋を自分で作ることが出来る可能性があります。


床面のシックハウスDIY対策の例
室内の中でシックハウスを生じやすい建材は『床』です。こちらの部屋は、防カビ・抗菌コートが施されたビニールのフロアカーペットが接着剤によって固定され、敷き詰められていました。フロアカーペットから、臭いを嗅ぐと頭がクラクラするような刺激性のある、神経性の有害化学物質が揮発していました。

そこで、私たちは、まず、汚染されたビニールフロアタイルを全て剥がしました。すると、接着剤がベットりついたべニアの床が現れたました。べニアからは、皮膚や粘膜に刺激のある臭気が立ち込めていました。フロアタイルを剥がす際に、手足に湿疹が出来ました。

そして、そのべニアの上にBBQ用の厚いアルミホイルを全面に敷き詰めました。その結果、床からの有害化学物質の揮発は収まったので、ホームセンターで購入した、人工板で出来た桜のフローリングを、接着剤なしで敷き詰めました。


床から揮発していた有害化学物質の封止に成功しました。しかし、壁と天井から、頭が痛くなるような刺激のある臭気が揮発した状態が残っています。さて、つづく。